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院長ノート

2011.03.09

小児肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンについて続報

細菌性髄膜炎の報告

昨日3月8日に、安全対策調査会および子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討委員会において、小児肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンの安全性について検討会が行われた。この結果を待って、同予防接種の継続が可能かどうかを考えていました。

1.報告された5例の症例評価について

平成23年3月2日以降、小児用肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンを含むワクチン同時接種後の乳幼児において5例の死亡例が報告されており、これらについて評価を行った。

(1)基礎疾患を有するものが3例、基礎疾患が明確でないものが2例であった。

(2)摂取から死亡までの期間は、翌日死亡が3例、2日後死亡が1例、3日後死亡が1例であった。

(3)現段階において、いずれもワクチン接種との直接的な明確な因果関係は認められないと考えられるが、さらに入手可能な情報を次回までに収集する。

(4)なお、たとえば先天性の心疾患などの基礎疾患を有する患者は、その状態によっては、十分な注意が必要である。

との回答であった。したがって、次回の報告があるまでは接種見送りとなります。

写真は、先日の宮津先生の研究会のスライドの一枚ですが、

日本での細菌性髄膜炎の罹患者数は600~1000人で、その約5%である30~50人が死亡している現状を考えると、細菌性髄膜炎が予防できる小児用肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンは、前回のノートにも記した子供たちが受ける恩恵である。

(4)については、その方々こそ一番の恩恵を受けるべき人で、いったん罹患すると重症化してしまう可能性が高い人であると思い、心配である。

一日も早い真相解明とワクチン接種の復活を願うとともに、亡くなられた方々のご冥福を祈るばかりです。

【関連資料】
症例一覧表 (PDF:101KB)

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